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職業リハビリテーション実践の理論・手法を習得して、障害のある人(生活のしづらさを抱えている人)の雇用支援のプロとして活躍するために、必要な知識を身につけます。

キャリア支援に基づく
「職業リハビリテーション学」
ー 雇用・就労支援の基礎 ー

障害のある人を含む社会的弱者の雇用・就労支援を推進するには、医療・教育・保健・福祉・雇用の各分野の専門職が雇用・就労支援に係る理念・知識と技術を共有することが不可欠。本書はそれに向けて、キャリア支援の視点を軸にその知識と技術を体系化し、その全体像を「職業リハビリテーション学」として提示する。 この分野の基本図書を目指して改訂を重ねてきた中で、2021年刊行の『キャリア支援に基づく職業リハビリテーションカウンセリング―理論と実際―』を大幅に加筆し、関連法の改正もアップデートして刊行。

ジアース教育新社:B5版 448頁 4,180円 (税込)

目標に合わせて選べる講座

「第 I 部 職業リハビリテーションの基礎」を必修として、「第Ⅱ部 理論的基盤とネットワーク」「第Ⅲ部 個別支援の実際」「第Ⅳ部 雇用環境調整の実際」をセットで受講します。
なお、「第 I 部 職業リハビリテーションの基礎」の修了後は、個別での受講も可能です。

講座の仕組み

基本講座

第Ⅰ部 職業リハビリテーションの基礎(略称:基礎編)
必修 | 全4回

職業リハビリテーション分野における「職業もしくは働くこと」「リハビリテーション」「カウンセリング」「障害の構造」「キャリア」の5つのキーワードを踏まえて、新たな定義と支援モデルそして理念・視点について紹介します。これを踏まえて、実際の支援のあり方やプロセスを学びます。

第1回(第1章):オリエンテーション/働くことの意味
【ポイント】

職業リハビリテーションを考える際の最初の重要なキーワードは、「働くこと」もしくは「職業」です。ここでは、その意義とともに多様な働き方について検討します。

序 論 オリエンテーション
第1講 働くことに関わる用語
    労働観の移り変わり/雇用と就労
第2講 働くことの意義
    職業と働くこと/働く動機/良い仕事
第3講 役割の遂行
    役割の実現/役割とQOL/職業的規範と倫理
第4講 障害と働くことの意義
    役割と障害/障害と働くことの意義/障害と仕事に関わる理論モデル
第5講 多様な働き方
    多様な働き方の展開/雇用の場の拡充/福祉的就労の発展
    /雇用と福祉的就労との相互移行/社会的企業と労働者協同労働組合
    /ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用

第2回(第2章):職業リハビリテーションに関わる概念
【ポイント】

職業リハビリテーションの残りの4つのキーワード(リハビリテーション、カウンセリング、障害の構造、キャリア)について検討します。さらに、これからの中核となる「キャリア」の視点に関連して、職場や地域社会でさまざまな人々と仕事をしていくために必要な基礎力について学びます。

第1講 リハビリテーションの概念
    リハビリテーションの定義とあり方/リハビリテーションの領域
    /総合リハビリテーションと生活の質
第2講 カウンセリング
    カウンセリングの定義と過程
    /リハビリテーションカウンセリングの領域/支援のありかた
第3講 障害の構造
    国際障害分類ICIDHとその意義/国際生活機能分類ICF
    /障害の捉え方
第4講 キャリア
    言葉の多様性と共通概念/ライフキャリアとワークキャリア
    /キャリアと職業リハビリテーション
第5講 社会人基礎力とキャリア
    社会人基礎力/キャリアの捉え方

第3回(第3章):職業リハビリテーションの定義と理念
【ポイント】

職業リハビリテーションに関わる「働くことの意味」「リハビリテーション」「カウンセリング」「障害の構造」「キャリア」の5つのキーワードを踏まえながら、職業リハビリテーションの新たな定義と支援モデルを提唱します。また、実践するための基盤となる価値観や視点について学びます。

第1講 定義の変遷
    国際的な定義/障害者の雇用の促進等に関する法律
第2講 新たな定義
    新たな定義/解説/支援モデル
第3講 職業リハビリテーションの理念や視点
    ウエルビーイング/インクルージョン
    /ダイバーシティとインクルージョン/ディーセントワーク
    /ワークライフバランス/クオリティオブライフ
    /ヒューマンサービス

第4回(第4章):職業リハビリテーションの支援過程
【ポイント】

職業リハビリテーション活動の支援モデルを踏まえながら、職業リハビリテーションの実際の支援の過程について、ケースマネジメントとジョブコーチの手順に即して解説するとともに、それとは異なる新たな働き方についても解説します。

第1講 支援のあり方
    支援の戦略/機能の発達と資源の開発
第2講 ケースマネジメントに基づく手順
    支援の過程/支援の内容/就業支援ケースマネジメントの特徴
第3講 ジョブコーチ支援
    援助付き雇用モデル/支援の過程/支援の内容
第4講 就業支援の新たな展開
    個別就労支援プログラムIPS/テレワーク/超短時間就労
    /カスタマイズ就業

個別講座

第Ⅱ部 理論的基盤とネットワーク編(略称:理論編) 
任意 | 全4回 個別受講可
 

理論的な基盤となる多様なキャリア理論と対人支援の理念であるヒューマンサービスの基盤について学びます。加えて、支援ネットワークの意義と内容や機能そして社会的支えと、専門職の育成とその倫理規範について学びます。

第1回(第5章):キャリアに関する理論-1
【ポイント】

キャリアに関わる理論は数多く、また、それらの分類方法もいろいろありますが、ここでは職業リハビリテーションに重要と思われる主な理論を学びます。

第1講 基礎的理論
    スーパーの理論/ホランドの理論
第2講 意思決定理論
    意思決定の特徴/ジェラッドの理論/認知的情報処理理論
第3講 学習理論・偶発性理論
    バンデューラの理論/クルンボルツの理論
    /プランド・ハップンスタンス理論
第4講 ナラティブアプローチ・キャリア構築理論
    ナラティブアプローチ/キャリア構築論

第2回(第5章):キャリアに関する理論-2
【ポイント】

キャリアに関わる理論は数多く、また、それらの分類方法もいろいろありますが、ここでは職業リハビリテーションに重要と思われる主な理論を学びます。

第1講 社会構成主義の理論
    仕事に対する新たな考え方/ワーキング心理学
    /仕事と人間関係のカウンセリングモデル
第2講 その他の主なキャリア理論
    生態学的モデル/トランジション理論
    /シャインの理論/職業適応の理論
第3講 障害者のキャリア発達
    キャリア発達への障害の影響/障害の全体的な影響
    /障害者の復職モデル

第3回(第6章):ヒューマンサービスの基盤
【ポイント】

ヒューマン・サービスの実践的な基盤となる知識と技術として、リハビリテーションカウンセリングの5Cの活動(Counseling, Consulteing, Coordinating, Care management, Critique)のうちのカウンセリング、コンサルテーション、コーディネーションに加えて、スーパビジョンについて学びます。

第1講 カウンセリングの基礎
    定義と基本要素/人間関係の樹立
    /言語的コミュニケーション/非言語的コミュニケーション
第2講 証拠に基づくカウンセリング理論
    応用行動分析/認知行動的アプローチ
    /ソーシャルスキルトレーニング
第3講 集団・コミュニティ対応の理論
    コミュニティアプローチ/グループ・ファシリテーション
第4講 コンサルテーション
    定義と特徴/種類/展望
第5講 コーディネーション
    定義と必要性/有効性/構成要素/課題と対応
第6講 スーパービジョン
    目的と定義/必要性と種類/臨床的ス―パ―ビジョンの理論
    /分類/課題と機能

第4回(第19・20章):支援ネットワークと人材体系/専門職人材の育成と倫理
【ポイント】

就業支援ネットワークに関連して多職種連携やチームアプローチの意義と要件、そして社会的支えについて検討するとともに、コーディネーションも併せて解説します。障害のある人の「働くことを含む地域生活」を支える主な専門職人材と育成カリキュラムについて解説します。また、それらに共通する行動規範や資質、そして倫理規範もあわせて解説します。

第1講 ネットワークの意義と要件
    雇用就労支援に関わる社会資源と人材
    /ネットワークの重要性/ネットワークの基本的要件
    /多職種の連携/チームアプローチ/コーディネーション
第2講 ネットワークの構築と機能不全
    基盤となる立ち位置/対人ネットワークの類型と構築
    /ネットワークのシステム化/機能不全と修復
    /他職種の専門家とのつきあい方
第3講 社会的支え
    意味と構造/社会的支えの育成と衰退
第4講 雇用就労支援専門職の育成
    雇用就労支援の専門職/人材育成のあり方/専門職の要件
第5講 倫理とジレンマ
    価値と倫理/職業倫理の原則と倫理規定/ジレンマ

第Ⅲ部 個別支援の実際(略称:個別支援編)
任意 | 全5回 個別受講可
 

個人理解のためのアセスメントと支援計画のあり方の全体を知ったうえで、個人特性を理解するための方法、障害が職業行動に及ぼす影響、職業や生活の捉え方と支援のための理解、個別機能の発達を促す基盤となる自己理解の深化、能力開発とキャリア教育について学びます。これらの知識や技術を背景にしながらキャリアカウンセリングの体系的アプローチの実施の過程について学びます。

第1回(第7章):アセスメントと支援計画
【ポイント】

職業リハビリテーションの一連の過程で最も重要になるアセスメント(職業評価)とプランニング(職業リハビリテーション計画の作成)の基本的な考え方について解説します。

第1講 アセスメントと情報
    インテーク/アセスメントの型と情報/情報の収集と注意
    /ストレングスの視点
第2講 プランニング
    プログラムの使命と基本的視点/支援計画の作成/計画作成の留意点
    /支援担当者会議と支援の責任者

第2回(第8章):個人特性の理解
【ポイント】

個人特性の理解は、支援者からみると「支援のための個人理解」であり、支援を受ける対象者からすると「自身の自己理解」に相当します。それぞれの視点から個人特性を理解する方法について解説します。

第1講 個人特性の階層構造
    ワークパーソナリティ/階層構造の意義
第2講 個人特性の把握
    把握の方法/検査や測定による資料収集/汎用的チェックリスト
第3講 自己理解の方法
    自己理解の意義と内容/自己理解の方法
    /キャリア関連ツール/JobTagの個人での利用
第4講 セルフマネージメント
    意味と必要性/構成要素と体得の方法
    /雇用継続に向けたセルフマネージメント
第5講 最近の職業能力観
    エンプロイアビリティ/コンピテンシー

第3回(第9・10章):障害の影響の理解/職業と生活の理解
【ポイント】

高齢者・障害・求職者雇用支援機構(2019a、b)を中心に、疾病の特徴を含む職業上の課題をまとめました。また、宮崎(2022)や佐々木(2022)などの実務経験者の談話や、合理的配慮指針事例集(厚生労働省、2023)の事項を合わせて検討しました。そして、職業リハビリテーションサービス提供に必要な情報のうち、職業とそれを維持するための生活に関して検討します。また、家族が障害児(者)の職業生活の維持に果たす役割についても検討します。

第1講 視覚・聴覚言語機能障害
    視覚障害/聴覚言語機能障害
第2講 肢体不自由・高次脳機能障害・内部障害・難病
    肢体不自由/高次脳機能障害/内部障害/難病
第3講 知的・発達障害
    知的障害/発達障害
第4講 精神障害・てんかん
    精神障害/てんかん
第5講 職業の捉え方
    職業の理解/職業情報の検索/産業・事業所等の理解
    /関連する情報/職業情報の分析
第6講 生活の捉え方
    就労と生活/生活状況の把握と対応/生活支援を行う際の留意点
第7講 家族の関わりと支援
    発達障害児(者)と家族の関わり/精神障害者と家族の関わり
    /家族の障害受容/家族と事業所との連携)

第4回(第11・12章):自己理解の深化/能力開発とキャリア教育
【ポイント】

自己概念、自己肯定感と有用感、障害の受容、障害の開示、自己決定について検討します。そして、能力開発には広義と狭義の内容があります。広義の能力開発には職業準備性の育成があり、また、それは、キャリア教育の視点とも合致します。

第1講 自己概念
    定義と要素/獲得の過程
第2講 自己肯定感・有用感
    自己肯定感/自己有用感/自己肯定感・有用感と障害受容
第3講 障害の受容
    自己理解と障害/障害の受容
第4講 障害の開示
    開示・非開示の就業への影響/開示・非開示の際の対処
第5講 自己決定
    自己決定論/自己決定への支援
第6講 能力開発の捉え方
    基本的な視点/障害と能力開発/能力開発の現場
第7講 職業準備性
    定義と内容/職業準備性の育成/職業準備性の捉え方
第8講 キャリア教育
    キャリア教育の意義/キャリア教育の展開
    /新たなキャリア教育のあり方

第5回(第13章):体系的カウンセリング
【ポイント】

キャリアカウンセリングをプロセスとして捉えるのが「体系的(雇用)カウンセリング」です。それは、さまざまなキャリア理論の折衷的アプローチであり、カウンセリングを学習的・教育的プロセスとみなしています。

第1講 体系的カウンセリングの基本
    体系的アプローチ/カウンセラーの基本的な視点
    /実施のプロセス/体系的カウンセリングの原埋
第2講 実施の過程
    「目標の設定」段階/「方法の実行」段階
    /「成果の確認」段階/「カウンセリングの終結」段階
第3講 実行段階の内容
    「意志決定」の方法/「学習」の方法/「自己管理」の方法
第4講 障害のある人への適用
    体系的な過程について/障害の特性と実施

第Ⅳ部 雇用環境調整の実際(略称:環境調整編) 
任意 | 全5回 個別受講可
 

障害者雇用・福祉分野の法制度や施策と連携の強化、障害者雇用の利点と推進、人事労務管理の内容と職場定着支援、職場のメンタルヘルスと組織内キャリア、復職支援・離転職・引退など、個人を取り巻く職業(仕事)環境の開発に関わる多様な知見について解説します。

第1回(第14章):雇用・福祉施策と連携の強化
【ポイント】

働くことに関わる制度として、労働関係法規全般について紹介するとともに、特に、障害者雇用促進法と障害者総合支援法について詳しく解説します。そのうえで、双方の施策の連携を強化するさまざまな取り組みにも言及します。

第1講 労働関係法規
    労働法の体系/労働法における「労働者」
第2講 労働条件の改善に関する法規制
    労働条件の原則と労働契約/賃金や労働条件/労働者の保護
第3講 障害者雇用促進法
    障害者雇用率制度/障害者雇用納付金制度/差別禁止と合理的配慮
    /職業リハビリテーションの推進/障害者雇用促進法の改正
第4講 障害者総合支援法
    基本理念と内容/就労系サービス/就労選択支援事業
第5講 雇用・福祉施策等の連携の強化
    福祉施策の課題/雇用・福祉施策の連携/その他の連携の課題

第2回(第15章):障害者雇用の推進
【ポイント】

企業と企業文化のあり方を踏まえながら、障害者雇用の課題について検討します。

第1講 障害者雇用の近未来
    障害者雇用を取り巻く状況/2030年の障害者雇用
第2講 障害者雇用の利点と阻害要因
    障害者雇用の利点/障害者雇用の阻害要因/障害者雇用の質の改善
第3講 障害者雇用の過程
    社内体制の構築/募集と採用/受け入れ態勢とネットワーク
第4講 障害者雇用企業の分類
    雇用意欲と必要性からの分類/支援機関の対応の要点
第5節 企業・事業所への支援
    事業所の不安と支援/支援の段階的過程

第3回(第16章):人事労務管理と職場定着支援
【ポイント】

企業の人事労務管理のあり方を知ることは、障害のある人が職業生活に適応してキャリア形成をするための支援を担う専門家には不可欠です。職場定着への支援も、そうした視点から解説します。

第1講 人事労務管理の体系
    人事労務管理の全体/管理の分掌
第2講 職場における援助技術
    職域の開発と拡大/教育訓練/マネージメント/健康管理
第3講 移行と職場定着
    移行の過程/職場定着の支援
第4講 権利擁護と合理的配慮
    権利擁護と虐待防止/合理的配慮

第4回(第17章):職場のメンタルヘルスと組織内キャリア
【ポイント】

雇用後の職場で不適応になる背景を知るとともに、それを予防するためのメンタルヘルスマネジメント、また組織内のキャリア形成について解説します。

第1講 職場不適応
    ストレスと家族の支援/職場不適応/職場不適応への対策
第2講 メンタルヘルス・マネジメント
    基本的な考え方/メンタルヘルスケアの推進/具体的進め方
    /ストレスチェック制度の導入/健康経営
第3講 障害者の組織内キャリア
    実態/組織内キャリア形成の視点

第5回(第18章):復職支援・離転職・引退
【ポイント】

休職から復職あるいは離転職さらには引退などの過程は、トランジション理論やプランドハップンスタンス理論などに示唆される人生の転機です。それゆえ、それまでの自分の人生に対する価値観や働き方を振り返りながら、新たな方向性を見出してゆくよう支援することが必要です。そうした視点を踏まえながら、障害のある人の復職や離転職とキャリア支援、そして最終的な雇用場面からの引退について解説します。

第1講 復職への支援
    職場復帰支援の流れ/リワークプログラム/留意すべき事項
第2講 治療と仕事の両立支援
    両立支援のための準備/両立支援の進め方
第3講 離転職への支援
    離転職のモデル/離転職の要因/離職と再就職の支援
第4講 働く場面からの引退
    引退後の課題/加齢への対応/引退への支援
    /ハッピーリタイアメント

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